東洋医学松柏堂医院

東洋医学松柏堂医院

ときどきの老い

4: 2010年5月号


 シニア割引をどんどん利用するハナシ。
私がシニアであることを社会的に認めざるをえなくなったのは、たしか50歳のとき、映画チケットの「どちらか50歳超のカップル」は本来3600円が2000円、という特典を利用し始めたときでした。当時はチケット売り場で、いちいち免許証の提示を求められ、面倒くさいなあーと、ちょっと怒った表情をしたり、何か言ったり。あれも照れかくしだったんだなー。
 55歳か60歳だったか、それ以降は一人でも一律1000円で、これは有り難い。白髪がめっきり増えたからでしょうか、チラッと視られるだけで、年齢確認を求められることもなくなりました。これはこれで辛い悲しいことだが、背に腹は替えらぬ、〈ほとんど半額〉の魅力は大きい。
 そして最近、私は40年間の車生活をやめました。週一回、函南のアニマルファーム通いも、車から電車へ。そこで登場したのが、65歳以上のジパング、ご存知、吉永小百合です。これだと東京―三島の往復新幹線8000円也が三割引の5000円になります。たいへん助かる。購入するとき、ミドリの窓口で、いちいちジパング手帖に記入するのが面倒で、やや屈辱的だが。
 そして極めつけの「割引」は、これはシニア限定ではないのだが、実際はシニアしか、こんな利用はありえねー、という都バス割引のハナシです。
 私の自宅は市ヶ谷柳町。職場の西麻布とは5㌔しか離れていないから、自転車でいいのだが、雨や寒さの日はついつい車になってしまっていた。それが車をやめたので、バスに。どう乗るかというと、柳町から新宿西口の終点まで、そこで始発の品川行に乗り換えて西麻布まで。真っ直ぐ5㌔が、10㌔超という迂回路です。自転車なら20分、車やタクシーなら10分で済んだ通勤時間はいっきょに一時間に。
 そして都バスを乗り継ぐと、200円が倍の400円になるのではなくて、100円割引かれて、計300円也なのです。品川行は一時間に3本くらいしか出ないけれど、始発駅では乗って待っていられるから苦にならない。
 たいてい座れるこの都バス。はやくも決まったお気に入りの席に腰掛けると、やおら眼鏡を取り出し、読みさしの本を出し、これで朝夕一時間づつの読書タイムが確保されました。郊外から通勤電車を使っている方々には、なんでもないことでしょうが、私にとっては実に新鮮。ただでさえノロノロゆっくりしたバス、それをさらに大きく迂回して、わざわざ終点まで行って乗り換える。効率をまったく度外視した、バカみたいな「贅沢すぎる」時間の使いかた。
 これは老人力満点ではありませんか? アハハ!!


pagetop